就活試験の1つに玉手箱と呼ばれるテストが挙げられます。
玉手箱って聞くと、浦島太郎に登場するアイテムを思い浮かべますが・・。
そんな玉手箱ですが、果たしてどんな試験なのでしょうか?
本記事では、試験の概要から出題科目、勉強方法をまとめました。
就活試験で行われる玉手箱とは?
玉手箱とは、日本エス・エイチ・エル(SHL)社が開発した適性検査の1種類です。
応募者の人柄や性格などを幅広い角度で見て、客観的な評価をするのが目的となります。
テストはWeb形式で行われ、自宅で受験するケースもあれば、会社に直接足を運んで受験するケースもあります。
名前の由来が凄く気になる・・。
ちなみに、玉手箱の由来はハッキリとは分かっていません。
玉手箱試験の特徴
玉手箱の試験には、大きな特徴が2つ挙げられます。
それぞれまとめましたので見てまいりましょう。
制限時間の短さ
1つ目は、制限時間の短さです。
玉手箱は1つの出題形式に付き、約数十問あります。
しかし、数十問ある中で与えられた制限時間は短めです。※詳しくは次の段落「玉手箱の出題内容」にて解説いたします。
1問辺りにかけられる時間も限られてくるため、素早く解く必要があります。
同じ問題形式では1種類の問題のみが出題
2つ目の特徴は、「同じ問題形式では1種類の問題のみが出題される」ということです。
玉手箱の出題形式の1つ「表の空欄の推測」を例に解説します。
「表の空欄の推測」 の出題内容は、「表の空欄1ヶ所に当てはまる数値を推測」というものです。※詳しくは後ほど解説します。
例えば、この問題が20問あった場合、「20問全部が表の空欄1ヶ所に当てはまる数値を推測する問題」であることを意味します。
パターンが決まるため、対策はしやすいと言えるでしょう。
どういった企業が行うのか?
玉手箱を実施している企業は以下の通りです。
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・富士通
・日産自動車
・TBS(アナウンサー)
・日本生命保険
・アサヒビール
・東京ガス
・西日本旅客鉄道
上記は一例に過ぎませんが、業界を問わず様々な企業が実施していることが分かります。
そのため、特に大手企業を受けられる際は、必ず勉強しておくといいでしょう。
玉手箱の科目と出題内容
玉手箱は、以下のように4つの科目が存在します。
・言語
・計数
・英語
・性格
そして、各科目ごとに問題形式があります。
本段落では、科目ごとの詳細をまとめました。
言語
言語は主に長文を読んで、長文に対する設問に解答する科目です。
論理的読解と趣旨判定、2種類の問題形式があります。
論理的読解
論理的読解では主に設問分の正誤を判断するのが特徴です。
選択肢は3つ存在し、以下のようなパターンで出題されます。
A:本文に書いてある〇〇は正しい
B:本文に書いてある〇〇は間違えている
C:本文だけでは、〇〇が正しいか間違えか分からない
論理的読解はこのような問題が32問(8長文)あって、15分で解く必要があります。
企業によっては25分で52問(13長文)で出題されることもありますが、いずれにせよ1問における解答時間は短めです。
趣旨判定
趣旨判定も同じく長文を読んで設問に答えますが、こちらは設問分の趣旨を読み解くのが特徴です。
例えば、長文に対して以下のような選択肢が出題されます。
A:筆者が一番訴えたいことは〇〇だ
B:筆者が訴えたいことは〇〇だが一番ではない
C:筆者が訴えたいことは書かれていない
趣旨判定は、こうした問題が10分で32問(8長文)出題されます。
論理的読解よりもスピーディーに解く能力が求められます。
計数
計数は、図や式から読み解いて正しい数値を当てはめていく科目です。
図表の読み取り・四則逆算・表の空欄の推測と3つの出題形式があります。
図表の読み取り
図表の読み取りは、グラフなどのデータから数値を読み取って設問に答えます。
例えば、A~Fと6つの表が存在して「Fと最も近い比になるのはA~Eのどれだ?」というのを答える感じです。
15分間で29問あるいは35分で40問のパターンで出題されます。
こちらも素早く解いていく必要がありますが、電卓と計算用紙は使用できます。
四則逆算
四則逆算は、空欄になっている方程式を完成させる出題がされます。
例えば、以下のような感じで出されます。
・20×□=95+□
上記問題の場合、□に入る数値は”5″ですね。
問題自体は割とシンプルですが、これを9分間で50問解く必要があります。
そのため、1問に使える時間はかなり限られます。
また、図表の読み取りと同様に電卓と計算用紙を使用できます。
表の空欄の推測
表の空欄の推測は、表で?と書かれている箇所の数値を予測します。
問題例を見てみましょう。
A社 | B社 | C社 | D社 | E社 | |
売り上げ目標 | 1000 | 900 | 960 | 980 | 1020 |
売り上げ実績 | 948 | 851 | 912 | 934 | ? |
E店の売り上げはいくらと推測できるか?
1.1000万円
2.900万円
3.971万円
4.930万円
5.1050万円
答えは「3.971万円」です。
A~Dの共通点として見られるのは、売り上げ目標と売り上げ実績に約50万円の差があることです。
そうなると、E社も50万円の差として「3.971万円」が一番近いと捉えられます。
したがって、法則や共通点を見つけ出すようなイメージだと思っておけばいいでしょう。
20分で20問あるいは35分で35問のパターンで出題されるため、1分に1問解く必要があります。
英語
英語はそのままの意味で、英語で出された設問に答えます。
長文読解と論理的読解の2種類あります。
長文読解
長文読解は、長文を読んで正しい選択肢を選びます。
10分で24問(8長文)の出題です。
論理的読解
言語であったのと同じで、こちらは英語バージョンです。
長文を読んで正誤を選ぶのですが、英語なので日本語よりも難易度は上がっています。
長文読解と同じく、10分で24問(8長文)の出題です。
性格
性格はここまで解説した科目のように問題を解くというよりは、自分に一番当てはまる選択肢を選ぶようなテストです。
いわゆる性格診断ですね!
設問を通じて、応募者の普段の行動や考え方を見極める意図があります。
性格を見極めるテストなので、これといった勉強は不要です。
あなたが感じるありのままの回答をしましょう。
ただ、設問数は約200問と多いので、直感的に答えていく必要があります。
玉手箱の勉強・対策法
玉手箱を攻略するためには、どのように勉強や対策を取ればいいのでしょうか?
本段落では4つのポイントをまとめました。
問題集を繰り返し解く
定番な方法ではありますが、問題集を繰り返し解くことは大事です。
何度も何度も練習することで、自ずと実力は付いていきます。
繰り返し解いて、当日の試験に備えましょう。
問題集は本屋に行くと売られているので、1冊購入されてはいかがでしょうか?
勉強の際は時間を計る
勉強する際は、時間を計りながら行うことを推奨します。
なぜなら、時間を計ることで時間を意識するようになるからです。
玉手箱は制限時間が短い試験なので、早く解く力を身に付けなければなりません。
ストップウォッチを用いるなどして、常に時間を意識しながら勉強しましょう。
本命ではない企業で試しに受けてみる
勉強と本番の雰囲気は違うため、慣れない環境に戸惑ってしまうケースもあります。
そのため、本命ではない企業で本番の雰囲気を確認しておくのもいいでしょう。
一度本番を経験することで、「玉手箱はこういう試験なんだ」とイメージが掴むことができ、本命の企業で受けるときにスムーズに進められます。
分からない問題は先に飛ばすか勘で答える
概要でも解説した通り、玉手箱は制限時間が短めです。
1つの問題に時間を掛けすぎてしまうと、全部解いている余裕がなくなります。
そのため、解くのに時間が掛かりそうな問題や解けなさそうな問題は先に飛ばすといいでしょう。
また、賭けではありますが、勘で答えるのも1つの方法です。
運も実力の1つと言います。
空欄のままにするぐらいなら、何でもいいので記号を1つ選択しておくといいでしょう。
まとめ
玉手箱は大手企業を中心に多くの企業で実施されている試験です。
限られた時間の中で問題を解く必要があるため、事前にしっかり勉強しなければなりません。
当日最大限の力を発揮するためにも、本記事でお話した内容を参考に対策してみてください。
就職試験といえば面接のイメージが強いですが、面接は基本的に最終試験として行われます。
最終試験にたどり着くためにも、まずは玉手箱をクリアしましょう!